『王都旅行計画』


 

「王都に行くんだろ?俺、ついていくから!」

 

客人が帰り、ホッと一息――そんな応接室の空気を、冒頭の一言でスバルはものの見事に砕いてみせていた。

 

予告なしで扉を開き、お茶を乗せたお盆をテーブルの上へ。無言でこちらを見ている会談の当事者二人に「ほい、ほい」とカップを手渡し、

 

「おやつは三百円までで、出発が楽しみだからって夜更かししたらダメだぞ」

 

あくまで自分の同行が前提の勢いで喋るスバル。それに対してカップを受け取った二人――エミリアとロズワールは視線を見合わせると、

 

「ほらね?」

 

「……そうね」

 

片眉を上げてにやけ面のロズワールに、疲れたようなエミリアの応答が重なる。その二人だけでわかり合っている雰囲気が気に入らず、スバルは「なーんーだーよー」と軽く身をよじりながら不満を露わにし、

 

「目と目でわかり合うなよジェラシー!俺も会話に混ぜて絡めて歌ってララバイ」

 

「そもそも、王都行きを誰から……私がぽろっと漏らしてたっけ……」

 

自分の失言を恥じるように額に手を当て、エミリアはそれからゆるやかに首を横に振る。スバルに向き直り、「あのね」と言い聞かせるような前置きを入れて、

 

「遊びにいくわけじゃないの。大事な用事で呼び出されて……そう、大事なの」

 

「それはわかってるよ。王選絡みなんだろ?国を揺るがす一大事なのは承知してるって。でーも、その上でお願いっ。連れてったって」

 

絨毯の上に膝をついて、拝み倒すように手を合わせるスバル。

その懇願にエミリアはどう答えるべきか、助けを求めるように室内の顔ぶれを見渡す。が、

 

「どったの?あ、わーぁたしのことは気にせずに、御心のまーぁまに選ばれるがよろしいかと」

 

ひとりはにやけ面のまま傍観を表明し、

 

「この茶葉の香り……まさかラムの秘蔵の……いえ、それはいくらなんでも考え過ぎ……でも、バルスならやりかねない……っ」

 

ひとりは運ばれてきた茶に使われている茶葉が気になって仕方ない有様。

そして最後のひとりに至っては、

 

「いいじゃないですか、こんなに行きたがっているんですから連れていってさしあげたら。王都にはスバルくんのお知り合いもいらっしゃるみたいですし、元々ケガをして屋敷に運ばれてきた経緯もあります。顔を見せて、安心させてさしあげないと」

 

と、これまでならば一番常識的な反応を期待できたはずなのに、今やスバルのフォローを入れる立場になっている始末である。

 

「うし、ナイスアシスト。レム、レム、レーム、こっちゃこい」

 

「はい!」

 

絨毯に座るスバルの手招きに応じて、レムは溌剌に笑うと滑るようにその隣へ。もはや一連の作業のようにレムが頭を差し出し、笑顔のスバルがその青い髪を乱れさせないように高度なテクニックを駆使して撫でくり褒める。

されるがままのレムが幸せそうな顔で喉を鳴らしている姿を見て、エミリアは「あ、私もやりたいかも」と好奇心が首をもたげるのを堪えて、

 

「そもそも、スバルは一緒にきてどうするつもりなの?王選に関係してるのはホントのことだけど、それはスバルには……」

 

「関係ないとか寂しいこと言われたら泣いちゃうから、俺。エミリアたんが王様……女王様か。になれるかどうかの瀬戸際に、俺も端っこでいいから関わりたい。そんでもってそれをやるには、少なくとも手の届く位置にいないと」

 

「そんなだからつれていけないって言ってるの」

 

やる気に満ち満ちたスバルの瞳を見つめ返し、エミリアは眉根を寄せて言う。

彼の気持ちは嬉しいが、もう十分にそれには救われているのだ。命を助けられ、そして数日前にも彼は命を落としかけてまで大勢を助けた。当人にその自覚が欠けすぎているのが不憫なほど、スバルに受けた恩は計り知れないのだ。

その上でこれ以上のものを彼から与えられようなど、そんな甘えは許されない。

 

「スバルを連れていったら、また無理するに決まってるもの。そんなこと、させたくないの。わかって?」

 

「エミリアたんこそわかってねぇよ。俺は無理も無茶も無謀も大嫌いだから、自分のキャパシティ越えたことはやらねぇ」

 

懇願するエミリアにスバルは腕を組んで、正座の姿勢のままで胸を張る。

いっそ堂々とした開き直りの宣言に、「でも」と言葉を継ぎ、

 

「手の届く位置にあるなら話は別。それがしかもエミリアたんのことならなおさら。な?わかっておくれよ」

 

「そんなの……わかんないわよ……」

 

どうしてこうまでスバルが食い下がってくるのか、エミリアにはわからない。

これだけ苦しい目にも、痛い目にもあったのだから、もうスバルを休ませてあげたいというのがエミリアの考えだ。

どうして好き好んで、まだ治り切ってもいない体を押して、そんな無茶を通そうとするのかがおかしくてならない。

まさか普段の軽口が、本気であるというわけでもあるまいに。

 

エミリアの思考が混乱の海に沈み、スバルが捨て犬のような目で彼女を見上げる。そうして沈黙が応接室に落ちる中、

 

「はいはーぁい、そーぉこまで」

 

と、場の空気を叩き壊すように、文字通りに手を叩いたのはロズワールだった。

彼は目の前の二人のやり取りを感慨深げに眺めていたが、

 

「どーぉにも話に進展が見られないから、わーぁたしがちゃかっと片付けよう。――スバルくんは王都についてきたまえ。これ、主命令ね」

 

「ロズワール!?」

「やたっ!話せるぜ、ロズっち!」

 

渋っていたエミリアの意見を蔑にするロズワール。その言葉にエミリアは不意を突かれた顔で、スバルは歓喜の表情でサムズアップして応じる。

が、それらの反応に対してロズワールは「ちっちっち」と指を振り、

 

「たーぁだぁーし、スバルくんが王都についてくるのはあーぁくまで治療目的。王選云々っていうのとはぜーぇんぜん別のお話。おわかり?」

 

「治療……?」

 

ロズワールの言葉にスバルが疑問視を付けて首を傾ける。

彼は意味がわからない、と首をひねったまま立ち上がろうとして――正座の足が痺れていたのか盛大に前に倒れ、それをとっさに隣にいたレムが首根っこを掴んで引き止める。

 

「ぐえぇ!……ナイスアシスト、レム。でも次回はもうちょっとうまくやって」

 

「むぅ、撫で撫ではお預けですか……」

 

喉をさすりながら辛口コメントのスバルに、しょんぼりしたレムが後ろに下がる。それからスバルは改めてロズワールに向き直ると、先ほどの発言の真意を問い質すように「で?」と身を乗り出し、

 

「治療目的ってどういうこと?言っちゃなんだが、傷なら痕が残った以外は基本的に完調してるぜ?若干、リハビリの余地があるのは認めるけど」

 

伸ばした両腕をぐるぐると回して、スバルは自身の健在ぶりをアピール。が、その肉体が万全でないのはエミリアを含め、屋敷の全員の知るところだ。

日常生活を行う上でもいくつかの不便があるのだろう点は見受けられたし、それは屋敷の仕事にも、朝の『らぢお体操』とやらにも表れている。当人が周囲にばれないよう隠そうとしている、というのがバレバレなのがまたいっそう不憫さに拍車をかけているのだが。

 

そんな暗黙の了解、と化していたスバルの体の不調に関しての話題。まだ空とぼけようとするスバルに、ロズワールは「いやいや」と首を振り、

 

「隠してもだーぁめ。君の体に後遺症が残ってるのはみんな知ってる。枯渇した状態でボッコの実を使用したこと。ジャガーノートの牙を受け、その肉体に多すぎる呪印を刻まれたこと――要因としてはこれらが主だけど、それが原因で君の体の中のマナの循環は今、非常に流れが悪い。ドロドロだ」

 

「……そんな見えないもんで調子が悪いって言われてもな」

 

「スバル。肉体に満ちるマナはまさに生命線なの。その流れが滞るってことは、命の循環に支障をきたすっていうこと。……お願いだから、ちゃんと聞いて」

 

不調を見抜かれたことでばつが悪いのか、イマイチ真剣味の感じられないスバルにエミリアはそう告げる。その想いが通じたのか、スバルは「ごめん」と小さく謝り、

 

「俺の体がピンチなのはわかった。で、それが王都で治療って話とどう繋がる?」

 

「君の体の治療には、水のマナのエキスパートの力がいる。スバルくんはさっきまでいた使者の方には会ったのかな?」

 

「背の高いネコミミぶりっ子か。正直、得意なタイプじゃなかったけど」

 

「あの子が、王都でもとびっきり優秀な水のマナの使い手だーぁよ。その力を借りれば、君の体の不調を回復することもできるだろうとね」

 

ロズワールの言葉にスバルが露骨に嫌そうに顔をしかめる。

苦手な人物だ、という彼の評にはエミリアも無言でありながら同意見であった。あの人物のこちらを見透かし、その上で煙に巻くような態度はどうにも得意でない。

王都への招聘を伝えにきたのにかこつけて、色々としたくない話もさせられた。

もっとも、

 

「あの子に借りを作ってまで、君の治療をする機会を作ってくれたんだ。エミリア様の思いやりには甘えておくべきだと、思わないかねぇ?」

 

「ほぇ?」

 

「ちょっと、ロズワール!それは……」

 

迂闊にも、とは言えない確信犯ぶりにエミリアは憤慨してロズワールに詰め寄る。しかし当のロズワールは涼しげな顔でエミリアの怒声を聞き流し、

 

「エミリア様もあの子のことは得意じゃなーぁいんだよ。だーぁけど、スバルくんの体のことがあるだろう?それで健気にお話に付き合って、どーぉにかこーぉにか譲歩を引き出して、君の治療の話をつけた。いじらしい方だよねぇ?」

 

「ロ・ズ・ワ・ア・ル!」

 

裏事情を完全に暴露されて、エミリアは一音ごとに切りながら彼を呼ぶ。

銀髪が怒りに揺らめき、顔に憤怒と恥辱で血が上っているのをはっきり感じる。怒気に任せて猛り狂うマナを練り、その藍色の長髪にぶつけてやろうと思うが、

 

「エミリアたん、マジで?」

 

と、事態の中心にいるスバルが問いかけてきたので、それも霧散してしまった。

事の真偽を確かめようとしているスバルに、エミリアはばつが悪く顔を背け、

 

「だって、スバルの体が治らないのは私のせいでもあるもの。この屋敷にきたのだって、もともとは私を庇ってくれたのが原因だし……それに、魔獣の森の一件だって本当なら私が動かなきゃいけなかったのをスバルが。だから、これはほんの恩返しっていうか、損失に対する正当な補填っていうか……」

 

「エミリアたん、言い方が固い。なんか事務的な感じがして感動が遠のく」

 

早口で自己弁護するエミリアに、スバルが手振りで突っ込みを入れる。そんな彼にエミリアは「とにかく!」と力強く言って、

 

「スバルはあれだけ頑張ったんだから、その分の恩返しを受ける義務があるの。そうでなきゃ今後、対等に顔を合わせていけないじゃない。これで毎朝、スバルのことを見るたびに変な罪悪感を覚えなくて済む、と思えば私のためなのよ」

 

「そのパターンも久々だけど、毎朝そんなこと思ってたの!?」

 

「思ってないわよ!感謝してたけど!」

 

もうメチャクチャだった。

どうにもこうにも、自分の考えを誰かに話すのが本当に苦手な性分だ。スバルもきっと呆れているだろう、とおずおず彼の顔を見ると、案の定の苦笑が浮かんでいる。

ただし、彼はその苦笑いのままで腕を組むと、

 

「けっきょく、エミリアたんも俺の王都行きは推奨派だったんじゃんか。だったら、どーしてまた最初は反対みたいなポーズ?」

 

「そうホイホイと自分の要求が通るって思われたら、スバルのことだからきっと調子に乗って無理するでしょ。やんちゃ小僧なところ、わかってるんだから」

 

「やんちゃ小僧ってきょうび聞かねぇな……」

 

小声で呟きながら首をひねるスバルに、エミリアは悔し紛れに舌を出す。

それを受けてスバルはなぜか陶然とした顔をしたが、なにかしらの意趣返しになったとすればエミリア的には万々歳だ。そっと、今ので溜飲を下げておく。

そして、

 

「そーぉれじゃ、話はまとまったね。スバルくんも王都行きに同行。もろもろの準備に明日一日を当てて、明後日の朝には出発――それでいーぃ?」

 

「わかったわ」

「意義なーし」

「「承知しました、ロズワール様」」

 

ロズワールの締めの言葉に、室内にいた全員がそれぞれの応答。

そうして、ロズワール邸の王都行きの方針は定まったのだった。

 

※ ※※※※※※※※※※※※

 

スバルも伴っての王都旅行が計画され、出発は明後日ということにも決定。

そんな慌ただしいスケジュールが組まれたとしても、使用人たちが屋敷周りの仕事を日常通りに行わなければならない現実は変わらない。

スバルもまた、使用人見習いとしてのリハビリに、客間の片付けという簡単な仕事を割り振られてそれに従事している。

 

「するってーと、ラムは屋敷に残るってこと?」

 

客室のシーツを丁寧に整えながら、スバルは背後のラムにそう尋ねた。

仕事するスバルを監督する、という名目でなにもしていないラムは億劫そうにその言葉に頷いて、

 

「ええ。屋敷を全員で空けてしまうわけにはいかないもの。普段ならレムが屋敷に残るのだけど、今回は『行きたい』ってわがままを言うから。許してあげたわ」

 

と、妹の主張を通した姉はかすかに唇をゆるめている。

なんだかんだで妹には甘い性格なのが見え隠れするラムだ。愛しのロズワールと遠ざけられるというわりには、そのことを不満に思っている様子は見えなかった。

 

「なんか、嬉しそうに見えるな」

 

「嬉しそう……そうかもしれないわ。与えられることに最善を尽くすしか頭になかったあの子が、自分の意思を持っているのがラムには嬉しいのかもしれない」

 

レムの性質を口惜しく思っていたのは、もちろんスバルだけではない。ラムなどは生まれたときから一緒の双子だ。どうにかしたいと思ったことなど、それこそスバルの何倍も、幾度もあったことだろう。

そういう意味では、スバルとラムはレムの性質に対する同じ意見を持つ同志ともいえた。

が、ラムはその志を同じくするスバルに鋭い視線を向けると、

 

「切っ掛けがこんな男……という点だけが気に入らないところだけど」

 

「もう聞き飽きたし、俺がレムの心にちょっとばかしの影響を与えた事実は消えないぜ!さあ、悔しがれ!!」

 

「フーラ」

 

「うわぉう!?」

 

詠唱ひとつで突風が巻き起こり、風に押されてスバルの体がベッドの上へ飛ぶ。そのまま、ちょうど整えたばかりのシーツをもみくちゃにして着地し、白い布に埋もれたスバルは柔らかい感触の中を泳ぐように浮上し、

 

「おまっ!魔法はねぇだろ、魔法は!口で負けた腹いせに魔法で報復とか、超性質悪ぃぞ!」

 

「腹いせじゃないわ。お腹のところに溜まった黒い感情を、バルスにぶつけることで発散しただけだから」

 

「それを人は腹いせ、あるいは八つ当たり、もしくは憂さ晴らしっつーんだ!」

 

顔を背けるラムに言い、スバルはそれからてきぱきとシーツを整え直す。

まだまだ体は本調子ではないが、指先の巧みさには変わりがなく、整えられた白い布の美しさには我ながら惚れ惚れするほどだった。

 

「それにしても、御者兼身の回りの世話担当兼護衛兼案内係か……レムの多芸っぷりには俺も言葉が出ねぇよ」

 

「レムが最近自称してる『スバルくん係』が抜けているわよ」

 

「それ本人の非公式クラブなんだけど」

 

もっとも、なんだかんだで世話になっているので強く否定もできないけど。

ともあれ、今回の旅行の主な面子はロズワール邸の四名。当事者であるエミリアに、彼女のパトロンであるロズワール。ダダをこねた果てに切符をもぎ取ったスバルがいて、三人の世話を担当する係としてレムが同行する。

そして居残り組がラムとベアトリスになるわけだが――、

 

「改めて考えると、超不安な留守番組だな。大丈夫なのかよ」

 

「安心なさい。――鬼は、三日飲まず食わずでも死んだりしないわ」

 

「お前自炊する気ねぇな!?」

 

いっそ堂々とした職務放棄発言にスバルは突っ込みを入れつつ、

 

「お前ひとりならともかく、ベア子はどうすんだよ。いざ降りてきました、ご飯用意されていません、『これはいったいどういうことかしらウキーッ!』って大騒ぎする姿が目に浮かぶぞ」

 

「本人に聞かれたら間違いなく吹っ飛ばされる想像ね。ベアトリス様もいけばいいのに」

 

「さらっと世話するのが面倒だって暴露すんなよ、世話係!蒸かし芋でいいから作ってやれ!塩とマヨネーズのバリエーションで、一食ごとに交互に出せば三日ぐらいはもつだろ、たぶん。最悪、マヨネーズ直接吸ってるだけでもいける」

 

マシになるような提案に見せかけて、マヨラーの異常性をひっそり感じさせる発言をするスバル。ラムはそれに対して特に思うところもないのか同意するような頷き。

人知れず、ベアトリス当人のいないところで彼女の悲惨な食生活が確定。

そこを確定させたところで、スバルは「いやいや」と手を振り、

 

「食事だけでも不安がこれだけみなぎるとなると、他の部分はどうなる。お前、ちゃんときっちり屋敷のお掃除とかやり切れんの?」

 

「愚問ね、バルス。ラムは料理より、掃除の方が得意なのよ」

 

「その得意科目もレム以下だけどな!お前ホント、姉なだけだな!」

 

「そうね。そして、それが全てよ」

 

別になにも決まっていないのに、ラムは渾身のドヤ顔でスバルを見る。

イマイチリアクションに困る態度を前に、スバルは頬を掻きながら、

 

「で、けっきょく屋敷の仕事はどうなる」

 

「レムが王都に行くっていうわがままを呑む代わりに条件を出したわ」

 

「聞こう」

 

「簡単なことよ。――戻ったら、空けた時間分だけ一日で働くという約束よ」

 

ラムの言葉を反芻して、スバルは今度こそ完全に言葉をなくした。

胡乱げな目でラムを見る。それを見返し、ラムはふっと不敵に頬をつり上げ、

 

「ラムに屋敷を任せるというのがどういうことか、思い知るがいいわ」

 

――スバルの予想を裏切るほどの、清々しい職務放棄宣言がそこにあった。

 

治療をちゃんと受けて、レムを手伝おうと、ひきこもり体質のスバルにそう決心させるほどに、それは爽やかな穀潰しの発言だった。